光のもとでⅠ
 まるで入学してきた頃と同じ。
 ……髪型が、入学してきた頃に戻っていた。
 俺は視線を固定し、畳み掛けるように言葉を放つ。
「これからもここで食べる予定だからそのつもりで」
 翠が顔を上げることを狙って言った言葉だったが、海斗の介入により失敗に終わる。
「それって……毎日ここで弁当食うってこと?」
「そういうこと」
 何、俺が言ったことをそのまま訊き返しているんだか……。
 いつもなら煩いくらいの人間のはずだが、今日はまだ一言も発していなかった人間が口を開いた。
「藤宮先輩、キャラ変わってません?」
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