光のもとでⅠ
 立花の問いかけに、
「さぁな。対象が対象なだけにこっちも手を替え品を替えするしかないだろ」
 俺は至極もっともらしい答えを返す。
 翠と会う時間がなかなか取れない、というのは本当だが、それが理由の百パーセントを占めているわけではない。
 本当はなんのためか、事後報告で海斗に話すのにも抵抗がある。
 でも――そこは避けて通れない。


 * * *


 月曜に始まった昼食は順調に続いていた。
 もっとも、順調なのは俺だけで、翠はかなり落ち着かない様子だったけど。
 周囲もこれといった変化は見られず、あるといったら俺がここで食べているという噂が満遍なく広がった程度。
 越谷が動きそうな様子はまるでない。
 それでも、まだ一週間しか経っていない。
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