光のもとでⅠ
 相変わらず何が起こるか起こらないかはわからない状態であり、俺に課せられたものが却下されたわけでもない。
「終わり」は来るのだろう。
 なぜなら、本来「学園警備」は俺の管轄ではないからだ。
「本来」というよりは、現時点で何を任されることもないはずの俺に降ってきた災厄でしかない。
 これで何も起こらなかった場合、じーさんの言う「実力」を見せるものは何にすり替わるのか。
 少し考えるだけでも気が滅入る。
「何? ため息なんかついて。遅刻、はしてないよな?」
 御園生さんは手元の時計を確認する。
 確かに遅刻はしていない。
 言うなれば五分前到着。
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