光のもとでⅠ
 これから越谷がどう出るか……。
 ここからの動きで雅さんが絡んでいるのかどうかが明らかになる。
 病院で雅さんが翠に接触したとき、雅さんは翠を傷つけるのにもっとも効果的な言葉を浴びせた。
 本当に、これ以上ないという言葉を。
 あれは、雅さんが翠のことを事前に調査し、何が一番有効かを考えたうえでの言葉だったに違いない。
 心理学を学び、その分野に秀でた人間ならそのくらい造作もない。
 もし、今回も雅さんが絡んでいるのなら、何かしらその片鱗が見えてしかるべき。
 それを見極めたかった。
「司、どうかした?」
 優太に声をかけられ我に返る。
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