光のもとでⅠ
「昼休みだけど……翠葉のとこに行かないの?」
 嵐の言葉で四限が終わったことに気づいた。
「らしくないの。何、ぼーっとしちゃって」
 ケンに顔を覗き込まれ、目を逸らして席を立つ。
「やっぱ行くんだ?」
 嵐がにんまりと笑う。
「あぁ」
「そのうち、藤宮司はしつこい男、っていう噂でも流れ始めるんじゃん?」
 ケンの言葉を聞き流し、教室をあとにした。
< 8,076 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop