光のもとでⅠ
 ……どっちもバカだ。
 俺は、駒が盤上で動くのを見ているような感覚でそれらを見ていた。
 翠には警護班がついている。
 身の安全は守られる。
 俺は、そのことに甘えていた――。

「司、部活行かねーの?」
 ホームルームが終わっても席を立たない俺にケンが尋ねる。
「あぁ、用が済んだらいく」
「何、生徒会?」
「うんにゃ、それは関係ないっしょ? だって俺聞いてないし」
 俺の代わりに優太が答え、嵐と顔を見合わせる。
「うん、私も聞いてないけど……? 司会長、なんかありましたっけ?」
 三年が生徒会を引退してから俺が生徒会長になり、嵐はたまにそんな名称で俺を呼んでいた。
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