光のもとでⅠ
「生徒会は関係ない」
 必要最低限の答えを返す。
「相変わらず秘密主義だな」
 優太が軽くため息をつき、「また明日な」と嵐を連れてその場を去った。
 それは、これ以上嵐が俺をつつくのを回避するための行動。
 ケンはまだ俺の隣の席にいた。
「例の件?」
「詳しくは話せない」
「いいよ。ま、片付いたら来るんだろ?」
「その予定」
「了解した。ま、来れなかったときは俺が鍵閉めておくから心配すんな」
 バシ、と背中を叩かれ、俺は小さな声で「頼む」と口にした。
「おうっ! 任せとけっ!」
 ケンが教室を出ていっても俺はまだ動かない。
 情報が上がってくるのをじっと待っていた。
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