光のもとでⅠ
「気になる子はちょいちょいいた。でも、今はどうかな? 今は仲間でわいわいお祭り騒ぎしているほうが楽しいんだよね。特定の誰かに時間を割くよりは部活って感じだし」
「……海斗くん、気持ちって簡単に変わるものかな?」
「いや、簡単には変わらんだろ」
 コテ、とベッドマットに頭を転がす。
「もし、海斗くんがお付き合いした人がほかの人を好きになっちゃったらどうする? もし、海斗くんがお付き合いしている人以外の人を好きになっちゃったらどうする?」
 タオルケットをぎゅっと握って訊くと、頭を転がしたままクスクスと笑いだした。
「翠葉は"もしも"が多いな。後者はほとんどあり得ないと思う」
「どうして?」
「絶対に一緒になりたいと思う人としか付き合うつもりがないから」
 その答えには寸分のぶれもなく、強い瞳は意志をそのまま表しているかのようだった。
 わけもわからず圧倒されてしまう何かがある。
「前者は……そうだな、自分に飽きられないように努力する、かな。そこは努力しだいな気がするから」
 と、ベッドから上体を起こした。
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