光のもとでⅠ
 それがどうしてこんなことになっているのか……。
 あぁ、そうだ……。
 まさか翠がこの季節のこの時間、池に入って探すと言い出すとは思いもしなかったからだ。
 こうやって俺は、いつだって翠にペースを乱される。
 水面に顔を出すと、翠の叫び声が聞こえた。
「ツカサっ、もういいからっっっ。もう、いいからっっっ」
 声が枯れかけていた。
 何度も叫んでいたのだろう。
 何を言っているのかまでは聞こえなかったけど、何か言っているのは聞こえていた。
「どうでも良くないから池に入ろうとしたんだろっ!? そうやって、もういいって言いながらずっと気にして、挙句翠がここに入るんじゃ意味がないんだよっっっ」
 俺もあとには引けなかった。
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