光のもとでⅠ
「バスタオルと下着。それから間に合わせの制服一式揃ってる。制服の上とメガネ、かばんはさっき警備員が届けてくれた、それから、湊先生と秋斗先生から伝言預かってる」
 伝言……?
「実家には連絡してあるからどっちに帰ってきてもかまわないって。秋斗先生の家でも湊先生の家でも」
 激しい抵抗を感じる。
 けれど、最終的に俺が行くことのできる場所は限られていた。
「身内」しかいない。
「どうするの?」
 選択の余地などない。
 それでも、俺は答えられずにいた。
「俺の家でもいいけど」
 朝陽の言葉に振り返る。
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