光のもとでⅠ
「何、その意外そうな顔。俺たちってまるで頼りにされてないよね?」
 何も答えられない。
 以前よりは付き合いが深くなったとは思う。
 それは自分でも感じている。
 けど、それとは違う。
 こういうときに頼るという発想自体がなかった。
 頼る、というよりも、人に弱みを見せることに慣れていない。
「……選択になかった」
 思ったままを答えると、
「それ、一番ひどいコメントだと思うけど?」
 朝陽が口元を引きつらせて言う。
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