光のもとでⅠ
「やややっっっ! 別になりふり構わずっていうわけじゃなくてっ、好きな子とだからなっ!?」
 何か喋ろうと思うのに、うまく言葉が出ずに口をパクパクとさせてしまう。
「みっ、御園生っ、とりあえず深呼吸だ、深呼吸っ!」
 コクコクと頭を振り、目を合わせたまま一緒に深呼吸を繰り返した。すると、落ち着いた頃にはおかしくなってふたりとも笑いだす。
「逆に女子はどうなの?」
「え?」
「性行為とかキスとかその他もろもろ」
 じっと見られて少し困る。
「ほかの女の子がどうかはわからないけれど……」
「うん、御園生は?」
「私は怖いの……。さっきの、付き合うことの意味もね、佐野くんと同じかな。結婚とか、そこまでは考えられないの。でも、秋斗さんはそこまで考えてる。そのうえで性行為とかを求められているのだと思うのだけど……。性行為自体も怖ければ、それを意識した途端に秋斗さんも怖くなってしまって、どうしたらいいのかわからないの」
「……そっか。それでこんな相談だったんだ」
 と、佐野くんはマットに顎を乗せた。
「ほれ、俺は?」
 と、人差し指を差し出された。
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