光のもとでⅠ
 不思議に思いながら、自分の人差し指を佐野くんの指にくっつける。
「……なんでETごっこ? 俺や海斗、藤宮先輩は大丈夫なのか、ってこと」
 言われてようやく意味がわかった。
 一本だけ立てられた人差し指を左手でぎゅっと握る。
「全然大丈夫」
「それは良かった」
 と、真っ白な壁へ空ろな目をやりつつ、
「秋斗先生限定かぁ……。それって秋斗先生からしてみたら切ないな。でも、あの人大人だし。無暗やたらと襲ってきたりはしないと思うよ?」
 その言葉に先日の不機嫌な秋斗さんのキス攻めを思い出し、咄嗟に握っていた人差し指を放した。
「マジ? なんかあったっ!?」
「え……あ、う……い」
「……いい、御園生黙ってろ。今女子ども呼んでくる」
 と、彼らしい機敏な動作で部屋を出ていった。
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