光のもとでⅠ

「あのさ……司がこういう考え方するのって間違いなく俺のせいなんだよね。……だからさ、俺はどうしたってじーさんサイドの人間なんだ。持ち駒扱いされても仕方ないよね……うん、つまりはそういう状況なんだ」
　どうやっても司を援護する側には回れない。
　自分が味方になれないならどうしたらいい……？
「……蔵元」
「なんですか」
「蔵元はこっちにいてよ」
「なんの話かわかりかねます」
「本当はさ、唯にもこっちにいてほしかったけど、唯には司サイドについてもらう」
「……またそういうことを。唯だってバカじゃないんですから途中で気づくでしょう」
「わかってる。でも、錯覚起こさせて司サイドに回るように仕向けたほうが断然効果的でいい気がする」
「……ご自由に」
　実に蔵元らしい呆れ声が返ってきた。