光のもとでⅠ
一緒に歩いているであろう司の足音が聞こえないのは、足音のしない靴底、スニーカーを履いているから。
そんな予測をしつつ思う。
ふたり一緒に歩いているだろうに、聞こえてくるのが会話じゃなくて足音っていうのはいかがなものか……。
音のする方を見ていると、少しずつふたりの姿が見え始める。
司は俺の存在に気づいたが、下を向いて歩いている翠葉ちゃんは俺に気づかない。
近くまで来てようやく顔を上げた彼女と視線が交わる。
それはすぐにはずれ、彼女は驚いた顔のまま司を振り仰いだ。
それに司は、「さぁ、どうしてだか」と短く答える。
俺は立ち上がり、ふたりのもとへと歩みを進める。
一歩二歩、三、四、五歩目で翠葉ちゃんの真正面。
そんな予測をしつつ思う。
ふたり一緒に歩いているだろうに、聞こえてくるのが会話じゃなくて足音っていうのはいかがなものか……。
音のする方を見ていると、少しずつふたりの姿が見え始める。
司は俺の存在に気づいたが、下を向いて歩いている翠葉ちゃんは俺に気づかない。
近くまで来てようやく顔を上げた彼女と視線が交わる。
それはすぐにはずれ、彼女は驚いた顔のまま司を振り仰いだ。
それに司は、「さぁ、どうしてだか」と短く答える。
俺は立ち上がり、ふたりのもとへと歩みを進める。
一歩二歩、三、四、五歩目で翠葉ちゃんの真正面。