光のもとでⅠ
「ご一緒にケーキはいかが? このお兄さんにごちそうしてもらったらいいわ」
「えっ、あのっ――」
 彼女は自分で払うつもりでいたのだろう。
 戸惑う彼女を見ながら、
「ここのミルクレープは甘さ控え目で意外と美味しいんだ」
 彼女に笑みを向けてから、
「ケーキセットでミルクレープお願いできる? それから、あと少ししたら彼女のお兄さんが来る」
「あ、待ち合わせなのね?」
「そう、かの修羅場王子だよ」
「えっ……もしかして御園生くんの妹さんなのっ!?」
「そうなんだ。かわいいでしょ?」
「まぁまぁまぁ……なんてかわいい。麗しい兄妹だわね……。御園生くんがシスコンなのもうなずけるわ」
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