光のもとでⅠ
「どうした?」
『翠の携帯のバックアップ、唯さんに取ってもらいたいんだけど』
「それ、翠葉ちゃんにも話すのか?」
 少し期待をするも、
『いや、余計なことは言いたくない。それに、携帯が狙われるかだってわからない。万が一のため。それだけだから』
「……わかった。唯に話しておく。唯なら今日中には終わらせるだろ」
 そう言って切った。
 俺はそのまま唯に通信を入れる。
 今なら間違いなくパソコンの前にいるだろう。
『なんですかー? まだ一時ですけど? 今やってるのって六時が納期でしたよね? 違いましたっけ?』
「その件じゃない」
 唯はタイピングをやめることなく訊いてくる。
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