光のもとでⅠ
「んじゃ、水シャワーは却下で。とりあえずシャワー浴びてすっきりしてくることにします」
「ちょっと待ってね。このバスタオルで終わりだから」
 碧さんは最後の一枚を洗濯曹から取り出し場所を譲ってくれた。
 去り際に一言。
「唯は頑丈そうには見えないわよねぇ……。だから言うけど、うちで風邪なんてひこうものなら隔離コース決定よ?」
 にこりと笑い、ピシャリ、とドアを閉められた。
「……こういうところはリィと違う。どっちかっていうとあんちゃん」
 あぁ、逆か。
 碧さんの要素をリィとあんちゃんが持ってるんだ。
 なんだかすっかり毒気を抜かれた気はしたけれど、シャワーは浴びることにした。
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