光のもとでⅠ
 物事を冷静に捉えているふうではある。
 与えられた情報から起こり得る可能性すべてをはじき出してさ。
 秋斗さんが通信のあとに送ってきたメールには、この件を任されてからの司っちが取った行動のすべてが書かれていた。
 ものすごく優秀だと思うよ。
 この俺がそう思うんだから間違いない。
 司っちはリィに負担がかからないように、傷つけないように、と動こうとしてくれていた。
 その姿勢に免じて目を瞑ることにする。
 俺にとっての一番はリィ。そこは譲れない。
 でも、ここまでリィのことを考えてくれる君の心に少しでも伸びしろがあるのなら、それを補助するのも悪くない。
 そう思えるくらいに彼はがんばっているように見えたんだ。
< 8,265 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop