光のもとでⅠ
「それってさ、プレゼントされたものが壊されるってことでしょ? そしたらリィは悲しむよ。悔やんで泣くかも。だから、携帯本体の複製も作るから」
『そんな時間あるんですか?』
 言ってくれるねぃ……。
 最悪の事態を想定しているだけに、実に現実的な突っ込みだ。
 でも、そこは俺です。
「やだなぁ、誰にもの言ってんの? すでに同機種の手配済んでるし。リィが風呂に入っている間にバックアップは済ませる。その間に携帯の外観の写真撮って朝までには本体、内部基板もろともすり替えるよ」
『……唯さん、データ以外に工作もできたんですね』
 俺は、「まぁね」とか答えたけど、本当のところはちょっと違う。
 もの作りは好きだけど、携帯についている傷を複製するような加工技術は持ち合わせていない。
 時間をかけていいならできなくはないだろう。けど、今回はリミットつき。
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