光のもとでⅠ
 蔵元さんは全部知ってた。
 俺は何も知らされていなかった。
 いいように踊らされていただけ。
 別にそのことを怒っているわけでも恨んでいるわけでもない。
 ただ、悔しいだけ。
 俺は裏事情を知っても知らなくても司っちについたよ。
 秋斗さんが動けないなら代わりに動いたよ。
 恩着せがましいことを言うつもりはない。
 でも、何も俺に隠す必要なかったじゃん。
 俺、どれだけ試されたらいいわけ?
 あと、何度試されたらいいわけ?
 秋斗さん、俺をいつまで試せば気が済むの?
 あんた、どれだけ保険が必要なんだよっ。
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