光のもとでⅠ
 俺はちらり、とダイニングに目をやる。
 秋斗さんは後ろ姿しか見えないから表情はわからないけど、湊さんの表情は見ることができた。
 意表を衝かれた。そんな顔。
 ざまぁみろ……。
 今回ばかりは司っちだって湊さんや秋斗さんの家には帰りたくなかったのだろう。
 そう思ったからこそ、俺はホテルにある自分の部屋を使えるようにしておいたわけだけど、その部屋も結局は使われていない。
 俺、たぶん間違いなく秋斗さん側に見なされてるんだ。
 冗談じゃない……。
「やっぱインスタントにすれば良かった……」
 ぼそりと零す。
「メール、司から?」
「そう。生徒会の先輩のとこにいるってさ」
「そっか……」
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