光のもとでⅠ
 怖くないわけじゃない。
 でも、リィに近づくための一歩だから――。
 極力驚かせないように、腕の辺りを数回叩いてからイヤホンを外した。

「リィ……」
 小さく、そっと呼びかける。
 返事はない。反応もない。
「リィの手、ちょうだい」
 俺はラヴィを抱きしめている左手を失敬する。
 リィの身体が変な体勢にならないように配慮しながら軽く握りしめ、少しひんやりとした手をあたためるようにに両手で包んだ。
 聞こえているかな、聞こえてないかな。
 目に映ってるかな、映ってないかな。
 どっちでもいい。
 でも、聞いて?
 俺が知っている情報を。
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