光のもとでⅠ
「今回のこれは……もっとよく考えれば避けられたはずだ」
 この言葉に尽きる。
「私も……もっと考えて、もっと周りをよく見て、人と話したことも全部覚えていたら、瞬時に思い出せていたら、あんな言葉をツカサに言わなかった。……でも、言っちゃった。絶対に言っちゃいけない言葉だったのに、言っちゃった。言ったあとで気づいた。私のそれとツカサのこれは何が違うの?」
 何が違う……?
 訊かれてもすぐに答えられる言葉は持ち合わせていない。
「ツカサが自分を許さないのなら、ツカサが私を許してくれても私は自分を許せない。ツカサは許されたいと思ってる? 私は許してほしくてここに来たんだよ?」
 どうして――どうして翠はいつも真ん中に飛び込んでくるのだろう。
 重心のバランスがひどく悪いと思っていても、弓を持たせると真っ直ぐ矢を放つ。
 そんな感じ。
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