光のもとでⅠ
 今回がたまたま俺だっただけで、秋兄がこんな状況にいても、クラスメイトがこんな状況にいても、翠は駆けつけられる限り駆けつけるだろう。
「自分より優先するものがひとつふたつなら認められなくもない。でも、翠のは違う気がする。自分より上位に家族や友人、周りにいる人間全員載せてないか?」
 腕の中で、翠がビク、と動いた。
 それは、俺の言葉を認めたも同じ。
「それで自分を大切にしていないわけじゃない? 笑わせるなっ」
 何度言えば理解するのだろうか。
 自分を大切にすること、命がどれほど大切なものなのか、どう話したら翠に伝わるのか。
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