光のもとでⅠ
「場所、どこがいい?」
「え……?」
「この処置室からは動かすことになるけど、救急の回復室も空いてるし、夏に使ってた九階の病室でもいいわよ?」
訊かれてちょっと困る。
正直、どちらもあまり好きな場所ではないのだ。痛みがひどくて夜間病院に運ばれた際、処置を受けたあと目を覚ます場所が回復室。九階の病室は居心地が悪いわけではないけれど、それでも入院時に過ごした場所であることに変わりはない。
病院のどこにいても、あまり好きな場所はない。
静かすぎれば去年の病室を思い出すし、人通りが激しいところにいれば、こんなに忙しいところにただ心電図をとっているだけの自分がいていいのか、と思う。
「どこでも……」
考えた末に答えると、額を軽くはじかれた。
「深く考えない」
「はい……」
「え……?」
「この処置室からは動かすことになるけど、救急の回復室も空いてるし、夏に使ってた九階の病室でもいいわよ?」
訊かれてちょっと困る。
正直、どちらもあまり好きな場所ではないのだ。痛みがひどくて夜間病院に運ばれた際、処置を受けたあと目を覚ます場所が回復室。九階の病室は居心地が悪いわけではないけれど、それでも入院時に過ごした場所であることに変わりはない。
病院のどこにいても、あまり好きな場所はない。
静かすぎれば去年の病室を思い出すし、人通りが激しいところにいれば、こんなに忙しいところにただ心電図をとっているだけの自分がいていいのか、と思う。
「どこでも……」
考えた末に答えると、額を軽くはじかれた。
「深く考えない」
「はい……」