光のもとでⅠ
「大丈夫です」
「じゃ、ゆっくり休みなさい。自宅には私から連絡入れておくから」
「はい。……朝早くにすみません」
「それは翠葉が気にすることじゃない。……私は翠葉の主治医なの。手の届く場所に自分の患者がいるのに診ない医者なんていないわ。……ほら、余計なこと考えずに寝るっ」
言うと、湊先生は病室をあとにした。
カツンカツンカツンカツン、ヒールの音が四歩歩いて静かになる。一呼吸二呼吸すると、再度、カツンカツンカツンカツン、と規則正しい音が鳴り出す。ニ、三回に一度脈が飛ぶ私の鼓動とは正反対。
私はとても疲れていたのか、しだいに遠くなるその音に導かれるようにして眠りについた。
「じゃ、ゆっくり休みなさい。自宅には私から連絡入れておくから」
「はい。……朝早くにすみません」
「それは翠葉が気にすることじゃない。……私は翠葉の主治医なの。手の届く場所に自分の患者がいるのに診ない医者なんていないわ。……ほら、余計なこと考えずに寝るっ」
言うと、湊先生は病室をあとにした。
カツンカツンカツンカツン、ヒールの音が四歩歩いて静かになる。一呼吸二呼吸すると、再度、カツンカツンカツンカツン、と規則正しい音が鳴り出す。ニ、三回に一度脈が飛ぶ私の鼓動とは正反対。
私はとても疲れていたのか、しだいに遠くなるその音に導かれるようにして眠りについた。