光のもとでⅠ
「ある意味すごいよね……」
若槻さんの言葉に海斗くんが、
「でも、基本はいつもあんな感じですよ」
と、答える。
「……若槻さんと海斗くんもお知り合いなんですか?」
「「いんや、さっき自己紹介済ませたばかり」」
と、見事なシンクロを見せてくれた。
まるで双子のように息がぴったりと合う。
いつもとは違うメンバーに少しそわそわしつつの食卓。
サンドイッチを口に入れると、ふわりと甘い香りが広がった。
バニラエッセンス? ビーンズ?
手元のそれに視線を落とすと、
「バニラオイル」
左に座る司先輩から答えが提供される。
「すごくいい香りがしました」
「栞さんが揃えてるものだから有名なメーカーなんじゃない?」
司先輩って料理だけではなく、お菓子作りもできてしまうのだろうか……。
「……やったことはない。でも、本を見れば誰でも作れるだろ」
と、素っ気無く答える。
「あの……だから、私まだ何も言ってません」
「顔にうるさいくらいに書いてある」
「勝手に読まないでください」
「だったら仮面でもかぶってろ」
今日の先輩は虫の居所が悪そうだ。
若槻さんの言葉に海斗くんが、
「でも、基本はいつもあんな感じですよ」
と、答える。
「……若槻さんと海斗くんもお知り合いなんですか?」
「「いんや、さっき自己紹介済ませたばかり」」
と、見事なシンクロを見せてくれた。
まるで双子のように息がぴったりと合う。
いつもとは違うメンバーに少しそわそわしつつの食卓。
サンドイッチを口に入れると、ふわりと甘い香りが広がった。
バニラエッセンス? ビーンズ?
手元のそれに視線を落とすと、
「バニラオイル」
左に座る司先輩から答えが提供される。
「すごくいい香りがしました」
「栞さんが揃えてるものだから有名なメーカーなんじゃない?」
司先輩って料理だけではなく、お菓子作りもできてしまうのだろうか……。
「……やったことはない。でも、本を見れば誰でも作れるだろ」
と、素っ気無く答える。
「あの……だから、私まだ何も言ってません」
「顔にうるさいくらいに書いてある」
「勝手に読まないでください」
「だったら仮面でもかぶってろ」
今日の先輩は虫の居所が悪そうだ。