光のもとでⅠ
「そう……私の暴力は?」
「互いにしたことで全て相殺されたことになってる。どちらにも処分下らず、だよ。不満?」
「……ううん。とくには……。ただ、相手にだけ処分がなければそれでいい」
「リィは優しいね?」
 私は何も答えなかった。

 唯兄、違うんだよ。優しいとかそういうことじゃないの。
 私の中には今でも彼女への憎悪が渦巻いている。携帯がダミーだったとしても、やっぱり池に落とされたことはとても衝撃的で、許しようのないことだったから。
 もし、今回のことで自分が処分を受けることになっても、相手が処分を受けることになっても、私は別に構わなかった。
 求めていたのは同等の処分を受けることであり、私だけが擁護されたのだとしたら、それだけは受け入れられないと思っただけのこと。
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