光のもとでⅠ
放課後になり、緊張した状態で特教棟へ向う。
玉紀先生がいらっしゃる教室は今まで立ち入ったことのない場所だった。
特教棟の三階は書道室、美術室のほか、教諭室に置ききれない教材置き場となる教室が多い。つまり、芸術選択で書道か美術を選択しない限り行くことのない階なのだ。
その階の最奥に玉紀先生がいる教室がある。生徒の間では「最奥の間」や「恋愛駆け込み寺」と呼ばれいるというのだから、ますますもってどんなところなのか――と考えてしまう。
教室のドアを前に深呼吸を数回してからノックをした。
コンコン――。
「どうぞー?」
高すぎず低すぎず、ゆったりとした感じの女の人の声。
みんなが「なっちゃん先生」と呼んでいる人の声なのだろう。
玉紀先生がいらっしゃる教室は今まで立ち入ったことのない場所だった。
特教棟の三階は書道室、美術室のほか、教諭室に置ききれない教材置き場となる教室が多い。つまり、芸術選択で書道か美術を選択しない限り行くことのない階なのだ。
その階の最奥に玉紀先生がいる教室がある。生徒の間では「最奥の間」や「恋愛駆け込み寺」と呼ばれいるというのだから、ますますもってどんなところなのか――と考えてしまう。
教室のドアを前に深呼吸を数回してからノックをした。
コンコン――。
「どうぞー?」
高すぎず低すぎず、ゆったりとした感じの女の人の声。
みんなが「なっちゃん先生」と呼んでいる人の声なのだろう。