光のもとでⅠ
 集会が終わってクラスに戻ってくると、回収されたはずのコンドームが自分の机に置かれていた。
 ただでさえ長く持っていただけで「汚いもの扱い」されたのに、机の上にあるそれを私はどうしたらいいのかわからなくて教室を飛び出した。
 どこをどう走ったのかも覚えていない。ただ、気づいたときには保健室のベッドの上にいた。
 校内で倒れて保健室に運ばれたのだと先生から聞かされた。
 その翌日、クラスメイトの男子に謝罪された。
 あのコンドームは男子の私物で、単なるいたずらだったのだという。
 それでも――あの日から私の机は汚いもの扱いをされ続けたし、私自身も何度も何度も水拭きをした。
 忘れもしない、初めての性教育――。
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