光のもとでⅠ
「初めて初潮を迎えたとき、お祝いしてもらわなかった?」
「あ……お母さんがお赤飯炊いてくれました。お父さんも喜んでて……」
 お母さんたちはおじいちゃんやおばあちゃんにも報告の電話をして、電話でおめでとうを言われた。でも、私はお腹が痛くて気持ち悪くて、冷や汗をかくほどにそれらがひどく、お赤飯など一口も食べることができなかった。いったい何がめでたいのか、と思った記憶がある。
「生理がくるっていうのは身体がきちんと成長している証なの。身体が大人になろうと変化を始める時期と言ってもいいわね。毎年誕生日を祝うでしょう? それと同じような気持ちで『おめでとう』って祝うのよ。いわば身体の節目の誕生日。ほかの言い方をするなら第二次性徴ね」
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