光のもとでⅠ
「もし、翠葉ちゃんがご両親や先生に対して『それは違う』と思うことがあるのなら、反抗や反発をするのではなく、『自分はこう思う、こう考えているんだよ』ということを伝えてごらんなさい。あからさまに反発するのではなく、自分の考えを話して相手を説得するような話し方をしてみなさい。そうしたら、相手は反抗期や反発とは捉えないから。自分を否定するのではなく、肯定してもらえるように話すことはとても大切なことよ」

 この学校で行われる教育のひとつひとつは必ず性教育につながるものだった。
 たとえば、ハムスターが死んだときや生まれたときに思ったことを書いた感想文を発表する場。それはすでに一プレゼンテーションという場になっている。
 こういうことに対し自分はこう思った、と発表する場。発言をする場。
 思ったことをきちんと言葉にして人に伝えられるようにするための教育。
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