光のもとでⅠ
「ふたりだけが感じることのできる、ふれあう時間ってすてきだと思わない?」
訊かれてしまうと少し戸惑う。
「何も一体になることを考えなくてもいいの。手をつなぐ、腕を組む、抱きしめる。……お母さんが子どもにするスキンシップみたいなもの。言葉がまだ通じないから肌に触れて直接感情を伝える。セックスってそんな行為の延長線にあるのよ」
あ――と思った。
前に、海斗くんにも同じようなことを言われたことがある。手をつなぎたいと思ったことはないか、と。それに、私は「ある」と答え、海斗くんはその延長線に性行為があるのだと教えてくれた。
海斗くんは、藤宮で受けている教育をそのまま私に話してくれていたのだ。
「一方的な気持ち、つまりは片思いの状態でそれらを遂行してしまうのは問題アリだけど、思いあうふたりがする行為ならば問題ないと思うわ」
そんなふうにできたら良かった。良かったのに――。
訊かれてしまうと少し戸惑う。
「何も一体になることを考えなくてもいいの。手をつなぐ、腕を組む、抱きしめる。……お母さんが子どもにするスキンシップみたいなもの。言葉がまだ通じないから肌に触れて直接感情を伝える。セックスってそんな行為の延長線にあるのよ」
あ――と思った。
前に、海斗くんにも同じようなことを言われたことがある。手をつなぎたいと思ったことはないか、と。それに、私は「ある」と答え、海斗くんはその延長線に性行為があるのだと教えてくれた。
海斗くんは、藤宮で受けている教育をそのまま私に話してくれていたのだ。
「一方的な気持ち、つまりは片思いの状態でそれらを遂行してしまうのは問題アリだけど、思いあうふたりがする行為ならば問題ないと思うわ」
そんなふうにできたら良かった。良かったのに――。