光のもとでⅠ
佐野くんに言われたように、昇降口までゆっくり歩く。右側にある学食は表の外灯のみが点いていて、学食内は非常灯が点いているのみ。
今は期末考査前だから遅い時間までは開いていないのだ。
佐野くんは特待生ということもあり、期末考査前でも完全に部活が休みに入るのは四日前からだという。今日は五日前。
昇降口に着き靴に履き替えると、息を切らした佐野くんが現れた。今度は見慣れている制服姿で。
「部活、お疲れ様」
「ありがと。でも、御園生もね? お疲れ様」
「……ありがとう」
「午後からぶっ通しでこの時間だろ?」
「うん……」
「大丈夫だった?」
佐野くんは訊いたあとになって、
「いや、うんと……その色々と」
と言葉を濁す。
今は期末考査前だから遅い時間までは開いていないのだ。
佐野くんは特待生ということもあり、期末考査前でも完全に部活が休みに入るのは四日前からだという。今日は五日前。
昇降口に着き靴に履き替えると、息を切らした佐野くんが現れた。今度は見慣れている制服姿で。
「部活、お疲れ様」
「ありがと。でも、御園生もね? お疲れ様」
「……ありがとう」
「午後からぶっ通しでこの時間だろ?」
「うん……」
「大丈夫だった?」
佐野くんは訊いたあとになって、
「いや、うんと……その色々と」
と言葉を濁す。