光のもとでⅠ
昇降口を出ても私道入り口までは十分くらいの時間がかかる。そして、公道に出てからの上り坂も私はゆっくり歩くことしかできない。
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だから……だから、公道に出たらバイバイしよう?」
「それは聞けないかな」
「え……?」
「この辺、駅前と比べれば治安はいいと思う。でも、それってさ、人気が少ないってことでもある。何かあって声をあげても人がいないことのほうが多い。そういうのもちゃんとわかってたほうがいいよ」
「……ありがとう」
「そう、それでよし……なんてね。実のところ、数学教えてほしいところあるんだわ」
「そうだったの?」
「心配してくれてありがとう。でも、大丈夫だから……だから、公道に出たらバイバイしよう?」
「それは聞けないかな」
「え……?」
「この辺、駅前と比べれば治安はいいと思う。でも、それってさ、人気が少ないってことでもある。何かあって声をあげても人がいないことのほうが多い。そういうのもちゃんとわかってたほうがいいよ」
「……ありがとう」
「そう、それでよし……なんてね。実のところ、数学教えてほしいところあるんだわ」
「そうだったの?」