光のもとでⅠ
蒼兄で釣って佐野くんを誘った。
ものすごく後ろめたいけど、それでも助けてほしいと思ってしまう。
「――助けて、って初めて言われた」
「……え?」
「助けて、って初めて御園生に言われた。……だから、理由を教えてくれなくても助けるよ」
佐野くんはノートをかばんにしまって立ち上がる。
「どうすれば助けられるの? どうすれば助けることになるの?」
「ただ、いてくれるだけでいいの」
「それだけでいいの?」
私はコクリと頷き、エレベーターの中で謝った。
「ごめんね。蒼兄をエサにして、釣るような真似して――ごめんね……」
「事実、蒼樹さんには釣られる。でも、御園生に助けてって言われたことのほうが貴重。やっとだよ……もう冬、あと数日で十二月。その言葉を聞くまで八ヶ月以上もかかった」
佐野くんは目を細めて笑った。
ありがとう、佐野くん。
本当にありがとう。
ものすごく後ろめたいけど、それでも助けてほしいと思ってしまう。
「――助けて、って初めて言われた」
「……え?」
「助けて、って初めて御園生に言われた。……だから、理由を教えてくれなくても助けるよ」
佐野くんはノートをかばんにしまって立ち上がる。
「どうすれば助けられるの? どうすれば助けることになるの?」
「ただ、いてくれるだけでいいの」
「それだけでいいの?」
私はコクリと頷き、エレベーターの中で謝った。
「ごめんね。蒼兄をエサにして、釣るような真似して――ごめんね……」
「事実、蒼樹さんには釣られる。でも、御園生に助けてって言われたことのほうが貴重。やっとだよ……もう冬、あと数日で十二月。その言葉を聞くまで八ヶ月以上もかかった」
佐野くんは目を細めて笑った。
ありがとう、佐野くん。
本当にありがとう。