光のもとでⅠ
 それからの三日間はひとりで勉強した。
 途中、唯兄の突撃訪問があり、インターホンを用いての口頭質問、という時間もあった。けど、三十分から一時間くらいで唯兄はいなくなる。サクッと撤収する。
 その時間は、最初に唯兄指導のもと身体を解す軽い体操をしてから始まる。
 ボタンを押して音が鳴ったり、テレビクイズのように出題されたり。すべてが唯兄のテンポで進むのに、どうしてかとても心地よかった。
 適度に身体を動かし声を発する、ということが軽いストレス発散につながってたみたい。
 暗記するためにひとりでブツブツ呟いているのとは違う。
 人に聞き取れる声で、発声で――そんなふうに声を出すと、幾分か心がすっきりした。

 夕飯はみんなで揃って食べる。静さんと楓先生、昇さんがいないことはあったけど、それ以外の人はたいてい最初から揃っていた。
 毎回、秋斗さんがいないことが多かった会食だけれど、今回は毎日欠かさずに参加していた。
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