光のもとでⅠ
　話しかけられれば秋斗さんともツカサとも話す。何の違和感もなく。
　時には、自分から話しかけることもあった。
　そうだ、これが「普通」なんだ。これが維持できればいいんだ。
　私は心の中でひとり納得した――。

　テスト中は通院をストップしていたこともあり、テスト最終日の午後に通院予約が入っていた。
　珍しく火曜日に病院へ行く。
　一度マンションに帰ってきて昼食を摂ってから病院に行く予定だった。
　マンションのエレベーターホールでは数日振りに楓先生に会った。
　楓先生は始めの二日間は会食に参加していたものの、そのあとは一度も来なかったから仕事が忙しいのだと思っていた。
「あ、翠葉ちゃん。おかえり」
「楓先生、こんにちは。今病院から帰られたんですか？」
「そう、夜勤明け。でも、また病院に行くんだけどね」
　苦笑して言う。
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