光のもとでⅠ
何かなりたいものがあって、それを諦めて子どもを産むことができるか、育てることができるか、と。そう問いかけて考えさせると言っていた。
つまり、楓先生の彼女さんはそういう状況にいるわけで……。
「彼女は保母さんになりたいんだ。それで勤め先が託児所。やりたいことがあって、就職も決まった。そこで発覚した妊娠。――でもさ、人の命がどれほど大切なものかは知ってるし、保母さんになりたいと思うくらいに小さい子が好きなんだ。だから、将来の夢と現実の狭間で揺れてる。俺は産んでほしいんだけどね……」
一瞬、隣にいるのが誰だかわからなくなりそうだった。
私の知ってる楓先生じゃない気がした。
「先生」じゃない一面を見たからだろうか……。
そんなことを思いながら車で病院へ向った。
つまり、楓先生の彼女さんはそういう状況にいるわけで……。
「彼女は保母さんになりたいんだ。それで勤め先が託児所。やりたいことがあって、就職も決まった。そこで発覚した妊娠。――でもさ、人の命がどれほど大切なものかは知ってるし、保母さんになりたいと思うくらいに小さい子が好きなんだ。だから、将来の夢と現実の狭間で揺れてる。俺は産んでほしいんだけどね……」
一瞬、隣にいるのが誰だかわからなくなりそうだった。
私の知ってる楓先生じゃない気がした。
「先生」じゃない一面を見たからだろうか……。
そんなことを思いながら車で病院へ向った。