光のもとでⅠ
「……御園生、翠葉です」
 先に続ける言葉がわからない。
 よろしくお願いします、と言うのもなんだか変な感じだ。それこそ、何をよろしくなのか、と訊かれてしまいそう。
 気分的には、「お邪魔しました」と今すぐ病室を出てしまいたい。
 困った……。
 望まれて来たならともかく、これは思い切り拒まれてるのではないだろうか。
 私が来た意味はない気がする。
 とてもじゃないけどハープの演奏をさせてもらえるとは思えなかった。
「翠葉ちゃん、とりあえず座って?」
 楓先生に促され、ソファのある方へと案内される。
 ベッド脇を通り過ぎたとき、移動テーブルの上に教材のようなものが見えた。そして、ルーズリーフにシャーペン。プリントには気になる文字も――。
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