光のもとでⅠ
 嘘じゃない言葉。嘘じゃない笑顔。
 出逢ってから一時間と経っていないのに、そう感じるのは驕り?
 でも、初対面があんなだったし、自分の気持ちに嘘をつかない人に思えたの。
 ポロ――涙が零れてびっくりする。
「あっ、わ、どうしたっ!?」
 果歩さんに訊かれ、咄嗟にティッシュを差し出される。
 私は右手で一枚引き抜き、ティッシュで目を押さえた。
「ごめんなさい。なんでも――」
「はい、翠葉ちゃんストーップ! なんでもなかったら普通は泣かないでしょう?」
「っ……」
 まるで唯兄みたいに話す人だった。
「言ってごらん? ん? どうした?」
 答えられない私の代わりに楓先生が、
「翠葉ちゃんさ、先日、藤宮の性教育受けたばかりなんだ」
「楓さんに訊いてない、黙ってて」
 ピシャリ、と楓先生を締め出し、果歩さんは私に視線を固定した。
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