光のもとでⅠ
 何か企んでいそうな楓先生からびっくりするほど華麗な転身。
 でも、その言葉には甘えられない。だって――。
 移動テーブルに置かれてるものに目をやり、楓先生に視線を戻す。
「果歩さんのお勉強の邪魔はできません」
「気にすることないよ」
 即答したのは果歩さんではなく楓先生。積まれている本を手に取り、
「司は必要なものだけをピックアップしてきてるはずだから、あとは果歩の考察とその裏づけ。今後の課題なんかをあれこれまとめるだけ。すぐ終わるだろ?」
 楓先生は一度果歩さんを見たものの、すぐに私へ視線を戻した。
「期限は今週末だから、それ以降なら時間取れるんじゃないかな?」
 にこにこと話を進める楓先生に、果歩さんが手近にあったシャーペンを投げた。
 シャーペンは楓先生の胸に当たって落下する。
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