光のもとでⅠ
厳重なセキュリティをパスして詰め所の人と目が合うのもいつものこと。
軽く会釈すると、答えるようにきっちりとした礼が返される。
ナースセンターにはいつも決まった人が常駐していた。四十代後半か五十代前半くらいのメガネをかけた女の人。
「こんにちは」
声をかけると、
「あ」
とデスクから顔を上げ、こちらに駆け寄ってきた。
いつもならその場で挨拶を返されて終わるだけなのに。
何かあるのかな、と思っていると、
「挨拶が遅くなってごめんなさいね。看護部長の藤原小枝子(ふじわらさえこ)です。あなたのことは紫先生と涼先生からうかがっていたのだけど――」
話の途中で院内PHSが鳴りだした。
軽く会釈すると、答えるようにきっちりとした礼が返される。
ナースセンターにはいつも決まった人が常駐していた。四十代後半か五十代前半くらいのメガネをかけた女の人。
「こんにちは」
声をかけると、
「あ」
とデスクから顔を上げ、こちらに駆け寄ってきた。
いつもならその場で挨拶を返されて終わるだけなのに。
何かあるのかな、と思っていると、
「挨拶が遅くなってごめんなさいね。看護部長の藤原小枝子(ふじわらさえこ)です。あなたのことは紫先生と涼先生からうかがっていたのだけど――」
話の途中で院内PHSが鳴りだした。