光のもとでⅠ
 してやられた感満載だった。見逃してもらえたわけではなく、間違いなくトラップにかかるとわかっていて猶予期間を与えられただけのこと。
 そんなところに、ものすごくツカサのお父さんらしさを感じてしまった。

 土曜日は予定通り欠席。
 いつものように腹痛に苛まれ、薬を飲むたび、胃に何かを入れるたびに違う痛みも生じる。それでも戻すことはなく、ベッドの上で冷や汗をかいて過ごしていると、
「ただいまーーー! 仕事一段落。父さんの仕事終了っ。すーいはーーー!」
 お父さんが帰ってきた。とても晴れやかな顔で、ハイテンションで、若干壊れ気味のお父さんが。
 私は、「おかえり」の言葉すら言えず、湯たんぽを抱え身体を丸めていた。
 ありとあらゆる場所が痛い。生理痛に誘発された筋痛症の痛みがあちこちで起きていて。
 でも、まだ我慢できる――。
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