光のもとでⅠ
 何にせよ、今の私は心にあるものを言葉に変換する能力が足りていない。初めての人に何から話したらいいのかわからないし、どこまで話したらいいのかもわからない。自分が躓いている決定的な原因を自分自身が把握できていない。
 考えなくては、と思うのに、過去のどこまで戻ればいいのか――これも言い訳?
 過去を遡って考えれば糸口は見えてくるはず。でも、それに直面するのがどうしようもなく怖かった。
 だって、私は答えを出したはずなの。出したはずなのに、それは「答え」と認めてはもらえなかった。
「自分のことはいつ許すのか?」と訊かれて言葉に詰まってしまった。
「許すつもりはない」。それは「答え」と認めてはもらえなかった。
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