光のもとでⅠ
22
十二月十六日木曜日――昨夜の雨空が嘘のようにカラリと晴れていた。
マンションを出ると、曇っていた昨日の朝より数段寒く感じた。
終業式前日、授業は午前中だけでお昼を食べたあとは学校の大掃除になる。みんなジャージに着替えていつもよりも念入りに教室や廊下、窓を磨く。
その中、各クラス十人が共有スペースの清掃に駆り出される。共有スペースとは、特教棟を含まない桜林館や小体育館の掃除。
海斗くんのほか八人が立候補して、もうひとりは飛鳥ちゃんになるのかな、と思っていた。けれども声は自分にかかった。
「翠葉、一緒行かない?」
「え、私?」
「うん。ちょっと寒いかもしんないけど、普段あまり桜林館行かないでしょ? 今日、天気いいしさ」
海斗くんは窓の外、太陽を指さす。
つられて見た空は、冬らしい空気の澄んだ空だった。
マンションを出ると、曇っていた昨日の朝より数段寒く感じた。
終業式前日、授業は午前中だけでお昼を食べたあとは学校の大掃除になる。みんなジャージに着替えていつもよりも念入りに教室や廊下、窓を磨く。
その中、各クラス十人が共有スペースの清掃に駆り出される。共有スペースとは、特教棟を含まない桜林館や小体育館の掃除。
海斗くんのほか八人が立候補して、もうひとりは飛鳥ちゃんになるのかな、と思っていた。けれども声は自分にかかった。
「翠葉、一緒行かない?」
「え、私?」
「うん。ちょっと寒いかもしんないけど、普段あまり桜林館行かないでしょ? 今日、天気いいしさ」
海斗くんは窓の外、太陽を指さす。
つられて見た空は、冬らしい空気の澄んだ空だった。