光のもとでⅠ
授業が終われば部活一直線で、本当に今までと何も変わらなかった。
移動教室のとき、ほかのクラスの人に冷やかされたりはしていたけれど、うちのクラスでふたりを冷やかす人はいなかった。それはきっと、誰もが佐野くんの気持ちを知っていたから。香乃子ちゃんの気持ちを知っていたからだと思う。
このクラスの人たちは優しい人ばかりだ。
「翠葉は冬休み入ったら幸倉に戻るんだろ?」
「うん、その予定」
「でも、クリスマスはパレスのお披露目パーティーで会えるな」
言われて、そういうことになってるのか、と知る。
湊先生と静さんの結婚式は未だ伏せられたままなのだ。お父さんの話によると、挙式に呼ばれているのは両家の家族と親しい友人のみとのことだった。けれど、事情を話さず、どうやってその場に来てもらうのか、と不思議に思っていた。
でも、パレスのお披露目という名目なら怪しまれることもない。この理由なら、栞さんも疑問に思わずパレスへ行くだろう。
移動教室のとき、ほかのクラスの人に冷やかされたりはしていたけれど、うちのクラスでふたりを冷やかす人はいなかった。それはきっと、誰もが佐野くんの気持ちを知っていたから。香乃子ちゃんの気持ちを知っていたからだと思う。
このクラスの人たちは優しい人ばかりだ。
「翠葉は冬休み入ったら幸倉に戻るんだろ?」
「うん、その予定」
「でも、クリスマスはパレスのお披露目パーティーで会えるな」
言われて、そういうことになってるのか、と知る。
湊先生と静さんの結婚式は未だ伏せられたままなのだ。お父さんの話によると、挙式に呼ばれているのは両家の家族と親しい友人のみとのことだった。けれど、事情を話さず、どうやってその場に来てもらうのか、と不思議に思っていた。
でも、パレスのお披露目という名目なら怪しまれることもない。この理由なら、栞さんも疑問に思わずパレスへ行くだろう。