光のもとでⅠ
『うちのクラスは桜林館半月ステージだって』
「サンキュ」と言って携帯を切り、
「じゃ、先に移動しますか」
私たちは人ごみに入ることなく桜林館へと進行方向を変えた。それと一緒に少しだけ話の進行方向も変える。
「海斗くん、訊いてもいいかな」
「ん?」
ジャージのポケットに両手を突っ込み、少し前かがみになって「何?」って感じの目で見られる。
「飛鳥ちゃんにも護衛の人がついているの?」
騒がしい廊下で話すには音量が小さすぎたかもしれない。けど、海斗くんはちゃんと聞き取ってくれた。
「ついてるよ。飛鳥にも話してあるし」
「婚約とか……するの?」
「したいのは山々なんだけどね。とりあえず、高校卒業するまではなんの確約もなし。お互いの気持ちが卒業するまで変わることがないか証明しろってじーちゃんに言われちゃったからさ」
「サンキュ」と言って携帯を切り、
「じゃ、先に移動しますか」
私たちは人ごみに入ることなく桜林館へと進行方向を変えた。それと一緒に少しだけ話の進行方向も変える。
「海斗くん、訊いてもいいかな」
「ん?」
ジャージのポケットに両手を突っ込み、少し前かがみになって「何?」って感じの目で見られる。
「飛鳥ちゃんにも護衛の人がついているの?」
騒がしい廊下で話すには音量が小さすぎたかもしれない。けど、海斗くんはちゃんと聞き取ってくれた。
「ついてるよ。飛鳥にも話してあるし」
「婚約とか……するの?」
「したいのは山々なんだけどね。とりあえず、高校卒業するまではなんの確約もなし。お互いの気持ちが卒業するまで変わることがないか証明しろってじーちゃんに言われちゃったからさ」