光のもとでⅠ
話の流れからすると、「瀬野さん」というのはメンズ店の店員さんなのだろう。
このショップ、シエルダジュールにはレディスラインとメンズラインがある。通常はひとつのブースでレディスとメンズの両方を取り扱うけれども、ウィステリアデパートではメンズフロアとレディスフロアがきっちりと分けられているため、店舗が別になっているのだとか。
挨拶を済ませると、
「それでは商品をお持ちいたしますね」
荒沢さんはバックヤードに入っていった。
「唯、ごめんね」
「え?」
「実は何度か足を運んでいて、目ぼしいものはチェックしてあるの」
お母さんが顔の前で手を合わせ、「ゴメン」とウィンクして見せる。
「でも、数点あるからその中から選んで? ……といっても、形は同じで色を選ぶ程度なんだけど」
お母さんは気まずそうに視線を逸らしし、唯兄は取り繕うことなくふてくされた。
このショップ、シエルダジュールにはレディスラインとメンズラインがある。通常はひとつのブースでレディスとメンズの両方を取り扱うけれども、ウィステリアデパートではメンズフロアとレディスフロアがきっちりと分けられているため、店舗が別になっているのだとか。
挨拶を済ませると、
「それでは商品をお持ちいたしますね」
荒沢さんはバックヤードに入っていった。
「唯、ごめんね」
「え?」
「実は何度か足を運んでいて、目ぼしいものはチェックしてあるの」
お母さんが顔の前で手を合わせ、「ゴメン」とウィンクして見せる。
「でも、数点あるからその中から選んで? ……といっても、形は同じで色を選ぶ程度なんだけど」
お母さんは気まずそうに視線を逸らしし、唯兄は取り繕うことなくふてくされた。